一枚、皮を脱ぐ

kyopin2004-04-05

ちょっと違うような気もするが。。


現代音楽ってあまり聴かないですが、
6日はストラビンスキーの命日だそうなので
春の祭典』など、聴いています。
ああ、2004年現在、
もうストラビンスキーは現代音楽の範疇には入らないのかな。


だいたい、現代音楽ってなによ?という人が多いですね。
5000枚売れれば大ヒットっていう弱小ジャンルであります。
今現在作られているポップスや流行歌のことではなくて、
クラシック音楽にその根幹を直結する、
二十世紀からこっちの音楽のうち、第二次大戦前のものを近代、
それ以後を現代と分けることが多いです。


あらゆる芸術は、いつも先人の築いた土台の上に乗っかって、
しかも、
その一部を壊し脱ぎ捨てて新しい面を表に現して来たわけです。
ピカソキュービズムを唱えていた時代に、
ストラビンスキーは叩かれまくっていたそうですけど、
ストラビンスキーはいったい何を壊した人なのかなぁ。


今聴くと、
べつに何か大事なものを壊した音楽のようには感じません。
伊福部明の『ゴジラ』とか、『猿の惑星』とか、
TVでやってた『タイムトンネル』とか、
そんな5-70年代のSFのバックグラウンドでよく使われる音。
その時代に感じた、とても未来的な音と言えるでしょう。
調性音楽を抜けきってはいなので、
現代音楽好きの人に言わせれば、
現代音楽の範疇に入らないらしいです。
ロジャー・ゼラズニイ作品映画にもきっと似合う、
そんな音楽です。エキゾティックで焦燥感があって。


ROCK好きが好むクラシックの代表のひとつです。
リズムが際立っていて、おどろおどろしい和声(コード)、
それまでのクラシックには見られない雑音に近い音色、
一番の特徴はテクスチャ(和音構成)なのかな。


和声はその組み合わせを使い果たされ、
ストラビンスキー以後、クセナキスなんていうギリシア人が、
数学の理論で音楽を創ったりすることになり、
かくしてクラシック音楽は。
ピュタゴラスの海へ還って行くのでありました。
そのクセナキスも2000年に亡くなってしまって、
嗚呼、クラシック音楽はどこへ向かっているのかしら、
今度はどの皮を脱ぐのかしら、皮はまだあるのかしら。
わたしは知らない。