ザボンブンタンバンペイユ

kyopin2007-03-04

ネコノミカン


きょしゃーんはこの時期、晩柑類研究家になります。ずいぶん食べ尽くした感はありますが、検索するとまだまだ観たこともない柑橘がたくさんありますし、味も香りもすっかり忘れ果てた蜜柑たちもあります。


今年は、そのまんま氏が宮崎県知事さんになられて、宣伝マンとしてTVカメラの前で、金柑を食されましたせいか、大好きな宮崎の大玉の金柑が品薄で、ひじょーに悲しいです。あんな美味しい金柑はないもの。今年はまだ二回しか頂いてません。しかも、低級品。


外の皮の甘さ、綿の柔らかさ、薄皮(袋)の歯ごたえ、果肉の程良い酸味と水分、種の周りのぬるり感。しかも上半球と下半球で微妙に甘みと酸味のバランスが違っていたりする、あの小さな一粒の味宇宙を堪能できません。


そのかわり今年は、土佐の文旦をいただきました。文旦にもいろいろあって、赤っぽいのや青っぽいのや、大型、小型。いただいたモノはいちばんオーソドックスな、お庭で育ったという、黄色の直系20センチくらいのです。何年ぶりなんてものじゃなくて、味や香りを忘れていましたが、もしかしたら初めての味わいだったかもです。


やや酸味が強くてほどよい水分。噛むとパシっと音がするほど張っている、緑色がかった果実は、もうそりゃ絶妙でした。お雛様の御殿に生えてる橘に近いって聞いたことがありますが、いかにもそんな高貴な味わいでした。


ああ、文旦をいただけば思い出す、長崎の祖父の庭のザボン(朱欒)たち。暗闇にぼわんぼわんと浮かぶまんまるの顔、顔、顔。のっぺらぼうがこっちを向いているのかいないのか。こわごわ眺めたものでした。


あー。食べてないなぁ、朱欒。たまに果物屋さんで見かけますけど、高すぎ。でも、ことしは大型の年にしたいので、熊本のバンペイユ(晩白柚)とともに、奮発しようかなぁ。


 宵闇に
  ザボンブンタンバンペイユ
         ぱーどれ様の魔法のやうに  京