正しい食し方

西瓜は幼児一人あたり半割りで、
おどんぶりにのせ、
スプンで掬っていただきます。

東京都にお住まいのトモコッチさん24歳（仮齢）よりのご質問。

文旦とかザボンとか手に入ると、袋をむいて実だけをどんぶりに盛って、いっきに食べるという方式。昔、九州の人にこれが本式とか言って伝授されました。ほんとかなw

これね、遠い記憶ですが、あります。ただ、うちは三人家族で、わたしは幼く、父は酸っぱいものが苦手で、しかも面倒くさがりやでしたので、いつもこの手のかかる二人のために、主婦の鏡になろうとしている母の心遣いかと思ってました。

それから、ザボンは果肉を食べるのがメインではなくて、皮をグラッセにするのが第一目的なので、「ほら、剥けたよ、もったいないから食べといて」ドカーン、ということでもあったと思います。

しかし、よーく思い出すと、よそのお家でも、ほんとにどんぶりで出された覚えがあります。残念ながら、わたしの長崎暮らしは7歳までなので、九州どころか、長崎市も代表できなくて、ほんの狭い範囲の個人的体験ですけどね。

しかし、有り得ます。皿うどんとかもね、ものすごい大皿に天こ盛りにして、みんなで取り分けていただくのが正統ホンカク王道ですから。

また、たまに木箱入りのカステラなんぞ頂くと、その場にいた者同士、ニカっといたずらっぽく目配せした後、その木箱をぐるりと取り囲み、蓋を開け、おもむろに手を突っ込んで掴み喰いします。これ、サイコー。長崎のひとなら誰でも知ってるお行儀悪い美味じゃないかな。

で、こんなことを書いていると、イモヅルのように思い出されるのは『ゴッドファーザー』です。脅しては喰い、殺しては喰い、喰いながら殺戮計画を練ってました。ニョッキも練ってました。

大皿にのった天こ盛りのスパゲティを、ファミリーみんなでワイワイがやがやと取り分けてテーブルを汚しまくって食べてました。しかもみんな、右手にフォーク、左手にスプンを持って、ズルルと音も立てそうな勢いで。

そのお行儀の悪さと流血とトマトソースのアンサンブルが絶妙で、つくづくコッポラって細かいなぁって思います。

あれれ、
なんのご相談でしたっけか。空飛ぶスパゲッティモンスター教入信の心得についてでしたか。
あれれ。