のうてんふぁいら
のうぜんかずら
わたしは、母によくノーテンファイラと呼ばれましたが、しんさん(iぢ@夫)は、ノウゼンカズラ(凌霄花)のことをノーテンファイラと呼びます。
だいたい、ノーテンファイラってなんなんでしょうか。あまり良い意味ではないなとは、子供心に感じてましたけど、調べてみれば母の造語ではなく、お馬鹿さんのことらしいです。「脳天壊了」という中国語なのね。脳が壊れちまってるつーことですか。酷い親だ。あんなに可愛かったきょしゃーんを。なんてことでしょう。
で、「凌霄花」、この字をどう読めばノウゼンカズラなのかしら。もっと不思議です。これも中国語っぽいですね。リャンジャオファとでも読むのかしら。なんか素敵。調べてみれば、空(霄)を凌ぐ花という意味だそうで、当て字かな。カズラとは葛、蔓の事ですから、ノウゼンカズラはきっと日本語。
ノウゼンは何かしら。能と禅? 静かな動きと深い意識なんてところを想像します。そういえば、大きく大きく育ったノウゼンカズラは、メドューサみたいに見えます。
身の毛もよだつ醜い姿にされた悲しみと恥ずかしさに、ずっと俯いて泣き暮らしているようですが、怪女は静かに物思う哲人でもありそう。主の脳の思いとは無関係に、蛇の髪の毛は、夜も昼もなくのたくって。
…と、こんなふうに脈略がのたうち回るのような子どもだったのなら、やっぱりノーテンファイラと呼ばれても仕方ないかなぁと思ったりしている梅雨明け前です。