kyopin2011-02-01


クレーの猫


閃輝暗展を続けます。今夜はパウルクレー。あきらかな暗点をモチーフにした作品がたくさんありました。まずは、その名も「黒い焦点による構成」。


Composition with Black Focus


暗点の周りを黒い「ワ」が囲んでいます。これは昨日ご紹介したミロの「The Gold of the Azure」と同じ構図ですね。中に斜線が入っていて閃輝暗点そのものです。


焦点を真っ黒い穴が塞ぎ、レンガや階段や緑の木々が美しいはずの街並みは、赤と黄色と青と緑のくすんだ硝子の格子に遮られて不安です。こちらで大きいのが観られます



赤いスカートのダンスパーティ


これも大きいサイズで観ないと解りにくいです。


中央やや左寄りに黒い穴。その周りに赤茶、灰、茶と幾重にも円があります。中のほうが暗いので奥行きを感じます。石の建物の中なのか、建物に囲まれた広場なのか、いたる所に四角く真っ黒い入り口があり、それぞれが異界へ繋がっていそう。


赤いスカートの人々は地に足を付けていない者や、半分消えかかっている者もいて、闇に吸い込まれて行ってるようです。


夜の花(グァッシュの青のうえの沈んだ風景)


閃輝暗点は瞼を瞑っても瞼の裏にギラギラの光や色が現れます。でも、その時に暗点はどうなっていたのか、、ちょっと覚えがありません。


眼を閉じたとき、瞼の裏に咲く花々のようでもあります。子供の頃は目をぎうっと押さえて無理やり観てました。この逆さまの向日葵のモチーフはすんごく解ります。しかし、それにはこのような暗点はありません。


私の閃輝暗点は光がトリガーなので夜の暗い部屋では出ません。でも、どうやら寝ている間に出現する人もあるようですので、これはそれなのかも知れません。


グァッシュというのは、不透明な水彩絵の具だそうです。嗚呼、、海のようには透き通ってない青。やはり瞼の裏に観える閃輝暗点です、それ。