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雪猫
オッドアイの白猫「福」ブログさんより拝借
ずいぶん昔、二十代の頃、地元名古屋に雪が沢山積もった一月の、抜けるような青空の日に、友人Sちゃんと雪道を歩いた時のことです。
積雪を歩く用の靴も持ってないので、つるん、ずりっ、ぐらん、と危なっかしく歩く私と違い、雪国、飛騨高山に生まれ育ったSちゃんは揺るぎない足取り。雪道の歩き方をコーチされながら5分か10分くらい歩いていたら、こんどは視界がパープルアウト!
Sちゃ〜ん、なんか目の前が紫色でチカチカ眩しいよー、って言ったら、それは「雪目」、あまり下ばかり見過ぎないでって。私はスキーもしないので初めて聞く言葉でした。
そう言われても、とても足元を見ずには歩けず、見ても一面薄紫色で、Sちゃんの顔も見慣れた町もキラキラと薄紫で一歩も歩けなくなったのでした。
今、そのことを思い出してググってみると、雪眼炎というほどの重症でなかったようです。その後しばらく、目を細めてあまり見ないようにして、Sちゃんに手を引かれて地下鉄の構内に入った頃には元に戻っていましたから。
視界が常と違うように観えるのは、この雪目のような眼球の問題と、現実にある物の錯覚、それと現実にはないものが観えるいわゆる幻覚と、大きく三種類あるようです。
閃輝暗点は、見えているのもが現実には無いものですから、三番目の幻覚の仲間です。幻覚というと薬物使用や心の病気っぽく思ってしまいますけど、睡眠中に見る夢だって広い意味の幻覚ですし、脳の仕業なんですね。
殆どの人の場合、それほど恐れる必要はないそうですけど、やはり、心当たりのある方は、まずは神経内科にご相談なさることをお薦めします。