不思議の国のアリス症候群


メルヘン系メンヘルみたいに思われるし、可愛すぎですから、特に男の人なんかは言い難いでしょうね「私、不思議の国のアリス症候群なんです」なんて。女性でも、この年になると言い難いですし、いや、若い頃でも、もしこの名前を知っていても言えなかったでしょう。

本日夕方のGoogle急上昇ワード(日本語)に上がっていたので、こんなマイナーな言葉がどうしてだろうと調べたら、日本テレビ「サタデーバリューフィーバー」という番組で紹介されたようです。どんなふうな扱いだったのか気になります。その番組を観たことがないので予想もつかなくて。

追記:上記にリンクした番組の案内ページには「激しい頭痛が原因の不思議な現象」と原因を特定していますが、まだそこまで研究は進んでいないのではないかと思います。:追記ここまで

偏頭痛には触れられているようですが、閃輝暗点はどうだったのかしら、間違いなくお隣同士の症状だと思っているのですが。

不思議の国のアリス症候群は、ちょっと説明するのが難しいのですが、その名の通り、ルイス・キャロルの書いたアリスの世界のさまざまな不思議な感覚だと思っていただければ良いと思います。

不思議の国のアリス症候群:Wikipediaには、わりに冷静に説明がしてあります。以下のコピペはネット上に出回っているものですが、何のことやら分らない人と、そうそう!それそれって思い当たる人と、忘れていたものを思い出す人があることでしょう。

不思議の国のアリス症候群
Alice in wonderland syndrome]


身体の一部や全体が拡大、縮小、二重に見えたりする身体像に関する錯覚、
視界に映る距離や位置に関する錯覚、時間に関する錯覚などを主症状とする症候群。
主に一過性で長時間持続することはまずない。
てんかん、大脳の局在性病変、幻覚誘発剤使用時、せん妄状態、心因性障害などにみられる。


「極細と極太が交互にやってくる感覚」
「遠近感覚がぼやけてものの大きさが曖昧になる感覚」
「有限な大きさのブロックの集合体」
「白黒」
「自分を包み込む空間の筒」
「針とタイヤ」
などの感覚

このすべての感覚を知っている人は少ないようです。私もブロックと白黒はあまりピンと来ません。またこれ以外に、
「音の大小」に関するもの、
「色や形」、「におい」、「味」、「触覚」、「落ちる昇る」というような上下に関する事、
「人と動物」「人と物」「この世のものとそうではないもの」の境界、区別。

私はとくに、「もじゃもじゃ」の恐怖と「波線」の恐怖がありました。

私は、私自身のからだが大きくなったり小さくなったりはないのですが、私を叱る人や怒鳴る人の顔が大きくなったり、キューーーと遠くへ行ったりしてました。

母には鼻の横にやや大きめのホクロがありましたが、私に小言を言う時はしばしば、それがドクンドクンと脈打つように大きく見えることがありました。大嫌いだった学校の先生が物凄く品のない嫌な顔の山羊に見えたりもしてました。人間だということは分かっているし、そう見えているのですが、同時に山羊にも見えるという、ちょっと説明できない感覚。

「あいつは大きな顔をして」とか、「反省して小さくなってる」とか、「穴があったら入りたい」とか、本当に普通にそういうことがあるし出来ると思ってましたので、それが喩えや文学的表現であることを知った時は結構ショックでした。

こういう感覚は成長するにつれ少なくなって行きましたが、大人になってからもごくごくたまに起こりました。あることでとても喜んで得意になってる知り合いの顔が、十畳の和室いっぱいに巨大化して見えたことがあったり。つい最近も、私にとても嫌なことをした人が狡賢いネズミに見えてしかたなくて、気分を害しているにもかかわらず、可笑しいやら気味悪いやらで、嫌な気分を忘れられました。

ああ、子供の頃もそうだったわって、その感情をまざまざと思い出しました。

とり留めもなく書くと、そうとう壊れている人に思われてしまいますね。これでもそれなりに普通に(ギリギリか?)社会生活をおくっています。それに支障が出る人が精神病なんじゃないかと思って来ました。ぎりぎりじんじんです。


ダリのアリス