アリス症候群について考える

不思議の国のアリス症候群を紹介した番組、日本テレビ「サタデーバリューフィーバー」を、見ることが出来ました。

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この番組内で紹介されるアメリカ人女性のアンさんが実在の人なのか、その本人のインタビュー映像の編集なのか、その中で彼女は演技をしているのかいないのか、本人または役者による再現ドラマなのかが判然としない作りなのが気になります。

また、ツッコミたいような箇所も少なからずあるのですが、アリス症候群の説明としては良く出来ていたと思いました。偏頭痛や閃輝暗点との関連も説明され、オカルト的な扱いでなかったのはとても有り難いと思いました。

このアンさんの症状は、自分の手足が長くなったり、体全体が小さくなったり、首が伸びたり、首と繋がってないのかな、頭だけが彷徨っていたり、他人の頭も浮かんでいたり(ちょっと判然としなかったです)。時間が早く進んでいるように感じたり、その反対だったり。周りの音が大音量で煩雑だったり。

これらは、以下のコピペの前半部分で、たぶんこれが医学的な定義なのだと思います。

不思議の国のアリス症候群
Alice in wonderland syndrome]


身体の一部や全体が拡大、縮小、二重に見えたりする身体像に関する錯覚、
視界に映る距離や位置に関する錯覚、時間に関する錯覚などを主症状とする症候群。
主に一過性で長時間持続することはまずない。
てんかん、大脳の局在性病変、幻覚誘発剤使用時、せん妄状態、心因性障害などにみられる。

この主な症状は、覚醒時に起こります。この症状を持つ人達の多くが共通して体験しているのが、コピペの後半部分の感覚です。

「極細と極太が交互にやってくる感覚」
「遠近感覚がぼやけてものの大きさが曖昧になる感覚」
「有限な大きさのブロックの集合体」
「白黒」
「自分を包み込む空間の筒」
「針とタイヤ」
などの感覚

こちらは主に、お布団の中に居る時の感覚です。本人はもちろん、起きている或いはは寝入りばなの出来事だと思っています。しかし夢の中で「起きている、寝入りばなだ」と思ってるのかもしれません。あの金縛りの状態に似ているかも。

それから、中には、そういう感覚の悪夢を見るという人もいます。私もその両方があります。このように曖昧では医学的な定義付けからはまずは外されて当然でしょうね。

また、この曖昧なものの周辺にもっと曖昧な、似ているような違うような感覚も様々あり、アリス持ちの集う場でも、それはアリスだ、それは違うだろうと、人それぞれの物指しで計っている状態です。

そう、その物指し。スケール。アリス症候群は、自分の物指しを上手く作れなかった、ちょっと出来損ないの脳神経を持っている人なのではないかと、私は思っています。

研究者ではないので、そう思うとしか言えないのですが、ちょっと考え続けてみようと思います。

なお、イギリスの精神科医トッドJohn Toddが1955年に書いた論文
TODD J. The syndrome of Alice in Wonderland. Can Med Assoc J. 1955 Nov 1;73(9):701-4. PubMed PMID: 13304769; PubMed Central PMCID: PMC1826192.
を、こちらで読めるようです。ネットって凄いですね…。




ダリ
私はこの緑の樹の、左の太〜い幹のところが梗塞しました。自分のMRI画像にあまりに似ているので、この絵を観るとゾッとします。