彼岸会

今日は、この日記でも時々写真を載っけている平和堂の、年に二回だけのご開帳の日でした。


お堂の中には千手観音がおわします。

1941年に名古屋から南京へ十一面観音(お厨子の中はそのミニチュア)が贈られ、その交換に南京から贈られてきた観音さまです。

名古屋ではとても有名な、♪さんわさんわさんわの若鶏、美味しいったらないね♪の若鶏のさんわの創業者が彫らせたものだそうです。造られたばかりで彼の地へ渡った、この高さ10メートルもの観音様は、文化大革命の折に破壊されてしまったそうです。

一方、南京で一番大きなお寺である毘盧寺(びるじ)から此の地へ贈られてきた千手観音さまは、名古屋のお寺を転々としながら戦火を潜りぬけ、戦後、篤志家によってここ平和公園にお堂を設けられ安置され、今に至っています。

気の毒なほど傷み、ご光背は歪み、汚れ果てていらっしゃいます。年に二度しか陽の目を見ず、誰にも拝まれること無く、363日、今年は閏年ですから364日、暗闇の中におわします。

南京の人々の元へお返ししようという運動もあるのですが、なかなか実りません。このたびの河村市長の南京大虐殺についての発言が、事の真実かどうかは別にして、観音様の帰国をまた伸ばしてしまったのかも知れません。


詳しい経緯は、日中友好協会愛知県連合会より
南京・毘盧寺渡来の観音像と東山平和堂(上)
南京・毘盧寺渡来の観音像と東山平和堂(中)


'06にメーテレ(旧名古屋TV:テレ朝系列)で放送された番組ページ
二つの観音像 〜 南京・名古屋 交換された仏像を追う 〜
スタッフのつぶやき




彼岸と此岸とは、あの世とこの世のことなどではないなぁと思う、春分の日でした。