閃輝暗展(音楽編その1

このところ、また閃輝暗点について考えています。それで前記事にこれまでのログを纏めてみました。

私の閃輝暗点について書いた頃から、閃輝暗点ってラヴェルボレロだなって思ってました。

と言いましても、それはラヴェル閃輝暗点から着想を得たのだろうなんていうことにはまだ思い至ってはいませんでした。

♪スッタカタ♪という、ごくごく弱いスネアドラムから始まって、オーケストラ総動員で爆裂して終わるまでの、たった一つのクレシェンドで描かれた15分ほどの時間の経過そのものが、です。

それで、昔、感動したモーリスベジャール振り付けでジョルジュドンが踊るのをはじめ、幾パターンがYouTubeに上ってましたので、観てみました。

これは冒頭がちょん切れているのが物凄く残念ですが、爆裂前に半円に模られていくのが物凄くツボでしたので、まずは。


こちらは周りの椅子がコの字型の配置なのが残念ですが、出だしも画質も綺麗で、なによりカメラワークが良いです。

舞踏は目に見える音楽といいますが、本当に本当にそう。ラヴェルが紡いだ音楽そのものが観えているのはないかと思えます。

そして軽くトランスを起すのか、観終わってもずっとその拍に支配される時間が続きます。閃輝暗点や、それに伴う頭痛も耳鳴りも拍動とともにあるようなので、それにも似ていてちょっと気持ち悪くもあります。

ダンサーの二本の腕が作り出すギラギラした三角と、ゆらぎ蠢く四角。それがだんだんに幾つも増えて大団円を造り上げてゆく様は閃輝暗点そのものです。


こちらはドン亡き後の最強の後継者、シルヴィギエム版。

ラヴェルらが構想した元の形は、一人の女性の踊りに一人二人と男性がつられて踊りはじめるとうとう演出だったそうですので、そういう意味ではギエム版のが原型に近いです。

また、冒頭、暗転の舞台の中心のダンサーの手にピンスポットが当てられ、揺らぎ始めるのが解りやすいです。これは、私の閃輝暗点の始まりにとてもとても似ています。きっと多くの閃輝暗点者もそう感じるのではなかろうかと…。


初めは何となく思っていたことでしたが、こうして見なおしてみるは、これは…やっぱりそうじゃないかしら?ラヴェル閃輝暗点者ではないかしら?

それに、このブレイクの絵にそっくりなのは偶然ではなく、同じ物を観たのではないかと。



そのような観点を持ってラヴェルの多くの曲を聴き直してみると、ピアノ曲においてはどれを聴いても音色は閃輝暗点(笑

たとえば有名なところで、「亡き王女のためのパヴァーヌ」も「水の戯れ」も、ふたつの「ピアノ協奏曲」も。

でも極めつけは、その名も『鏡』。5つの曲で構成される組曲が、もうそのものとしか思えません。細かい解説(?)はまた後にするとして、とりあえず全曲を貼っときます。

元々、冷たく鋭い音色を持つリヒテルの演奏はとてもしっくりきます。