もう十年

kyopin2005-01-17

畳の上で死にたい
ああ、我が家には畳がなかったか。


阪神淡路の震災からもう十年ですか。
あの1年後の春に母の納骨のため特急寝台さくら号に乗りました。
飛行機じゃなくて、長崎から名古屋に引っ越してきたときのように
その夜汽車で母を帰したいと思ったのです。


さくら号は名古屋を夜の10時くらいに出て、
深夜、震災の地を通りました。
神戸の街は山を背に東西に長く、
しかもまだそこは徐行運転されていましたから、
ずっとずっと神戸を走っているように感じました。
西へ行けば行くほど復興が遅れている様子で、
長田区は青いビニールシートだらけでした。


 ジタジタン ジタジタン って言ってるね、おかあさん
 さくら号は ジタジタン ジタジタン
 ナゴヤって外国なの? おかあさん
 お父さんはもう英語ペラペラなのかな
 さくら号は ジタジタン ジタジタン
 海の底のトンネルを抜けて
 
 もう寝なさい。起きたら名古屋だよ。


ジタジタンを枕に、眠れなかった生まれて初めての寝台特急
わたしは死んだらどこへ帰るんだろう。
とりあえず畳の上で死にたい。
畳の部屋をつくらなきゃ、そのうちに。そのうちに。そのうちに。