ジオンもガミラスもナチスっぽいが

kyopin2005-08-28

ニャァ少佐


フランツリストが好きです。でも、大きな曲や現代音楽に繋がるような後期の曲はあまり演奏されないし、聴ける機会が少ないです。メンデルスゾーンとともにちょっと見捨てられ忘れられつつあるのかも知れないと、ふと思ったら心配になってきちゃって、ネットの中のリストを探し歩きました。


リストを探し歩いていると、生没が数年しかずれていないワグナーがじゃかじゃか出てきます。ワグナーは苦手です。でも、とっても興味有ります。あの人は悪魔だったんじゃないの?リストに多大な影響を受けていますけど、リストの音楽は悪魔を表現しているだけで想像創造の世界。ワグナーのは、勇壮さの中に悪魔の心を忍ばせているように思います。聴くと心の黒い所が刺激されそうで怖いから、ほとんど聴きません。


ワグナーといえば強烈な反ユダヤ主義。一時は憧れてもいた四歳年上のメンデルスゾーンを、ユダヤ系の銀行家の令息であることを根拠に憎みはじめるんですよね。メンデルスゾーンのほうは、決して憎み返さなかったようです。ゲーテもハイネも、メンデル少年を天使だ奇蹟だと思ったそうですから、白いひとだったのだとおもいます。


リストが不倫相手に産ませた娘コジマは、愛弟子ビューローの妻で、ワグナーと不倫して反ユダヤ主義に染まり、ワグナーの血と思想を受け継ぐ子を産みます。そしてその血筋はヒトラーに守られ慈しまれます。父祖リストはどうだったのか、とっても心配になってきちゃって、音楽会やCD情報そっちのけで探し回るハメに。。。


ワグナーは死後、遺した偉大な音楽と著述でヒトラーの思想に大きく影響(というか、洗脳?憑依?)し、目的遂行させたわけですけど、生身の身体と天才同士の精神で六十年もの間ふれ合ってきたリストは、その悪魔の黒い領域に侵されることはなかったのかしら。晩年のリストは僧籍をもらって、とても他を大切にする人格者だったそうですから、まさかとは思うのですが。


ワグナーのほうはナチスの話題満載なのに、リストの思想的なことに触れたサイトは見つかりませんでした。メフィストにも神にも見えたというリスト。ああ、リスト。メンデルスゾーンと同じ天使側であらんことを。いや、だから、リストはワグナーの遺作『パルジファル』を聴きに行って亡くなってしまったのじゃないかしら。心の黒い部分がすっかり無くなっていて、純白では悪魔の音に勝てなかったなんてこと、ありそう。