ぼくのカマドに火をつけて

kyopin2005-11-13

ニャンコウマ


虫が好かないという言葉がありますが、虫「が」好かないのだから、虫にも好みがあって、つくにしても選ぶってことですね。人に悪い虫がついたというと、その虫は異性(大抵のばやい)で、獅子身中の虫といえば百獣の王ライオンの体の中に巣くって宿主に痛手を与える寄生虫ですね。で、それは悪い身内の人間の喩えになっているわけで、「虫が好かない」の「虫」も、自分の心の中の何かの喩えですねぇ。


なんとなく虫の好かない虫といえば、それはやっぱりカマドウマ。突然ですが。ゴキみたいにヒーーーーっというほど嫌いじゃないけど、コオロギや鈴虫みたいに可愛くは思えないです。あれがわたしに何か悪いことをするワケじゃないのに、なんだか虫が好かない。


子供の頃住んでいた山の斜面に防空壕跡がありました。簡単な横穴式ので、奥行き2mほど、ただ掘ってあるだけのものでした。斜面の向かい側の畑のお百姓さんが、それをカマドがわりに草かな?よく何かを燃していました。一緒にお芋を焼いて近所の子たちに食べさせてもくれました。


そのカマドのような防空壕跡にいましたのよ、カマドウマが。生まれて初めて見た時は、ひぃ~~~ってなりましたが、よく見ると、まぁ、後ろ足がやたらに長いコオロギです。鳴かない?ですよね、たぶん。わたしは結構、昆虫は大丈夫です。というか、甲虫類や蝶や蛾やトンボ、カマキリなんかも好きですし、触れます。でも、カマドウマはなんかいやん。あの薄らいやらしい気持ち悪さはなんなのかしら。もうずっと見てませんが。


わたしのココロの中に棲んでる虫が嫌うのでしょうか。ヒトにはよくその虫が騒ぎます。アテになるようなならないような、わたしの中の虫。蟲。お百姓さんが焼いても焼いても絶滅しなかったカマドウマみたいに、なかなかしぶとく生息しています。