呆けてる


飼い主と犬


今日も今日とて歯医者さんへ行ってきました。空き地の日向にタンポポが群れ咲いていて、あらぁ、、春でしたっけかぁ。ほとんどタンポポの原と化している一角にまるまると肥えたシェルティとご老人が。犬はずいぶん毛並みが悪く、もさもさバリバリです。ああ、お年寄りなんだなぁと思いながら通り過ぎようとしたとき、ワンコが空(くう)を凝視してアオンワウンと吠えます。


飼い主のご老人が「何もおらんやろう、そこには」って。それでも犬はアオンオン!ワウワウ!「なーんもおらんて」と声をかけながら頭を撫でてあげるご老人。まるで呆けちゃった奥さんをいたわってるみたいな仕草で、ほろろんとしてしまいました。


呆け犬さんだったようです。うちのヒメ子も一週間だけ呆けたことがありまして、ホント困ったり可笑しかったり気の毒だったり、ちょっと羨ましかったりしたものだったことを思い出します。あ、でもわたしは歯医者さんへ向かう途中、いつまでも行きずりの老犬に関わり合っているばやいじゃありません。


スタスタとまた歩き始めて、さて右に回ったら歯医者さん、、、あららん?ブクオフの看板が見えるじゃないですか。おっと、行き過ぎてしまった。来た方向へ戻ります。道二本分、行き過ぎてました。全然気がつかなかったのが我ながら怖かったです。。


治療が終わって、受付で歯磨き剤を下さいってお願いしましたら、「どれになさいますかぁ?白くするのと、再石灰化させるのと、子供用の美味しいのがあります」と訊かれたので、「子供用ですかぁ?甘いの?」って言いながら微笑んだら(ええ、軽く微笑んだだけよ)「子供用になさいますかぁ?」って出されてしまいました。「い、いえ、大人用でおながいします・・」「こども用、美味しいんですよぉ、苺とメロンがあるんですぅ。。大人用でいいですかぁ?」


嗚呼、さすがはお伽の国の歯医者さんです。呆けても安心だと思いましたとさ。めでたしめでたし。