夢枕牌

kyopin2005-12-10

むにゃむにゃ


父の麻雀仲間(ていうか職場の同僚)Fさんが、「なぁなぁ、もうイーチャンしよう、半チャンでもいいよ、もう半チャンしようよぉ」と子どものような口調で、父の枕元に立ったことがあったそうです。その時間にF小父さんはご自宅で、心筋梗塞を起こして亡くなってしまわれました。


原爆で人死にを文字通り山ほど見た父母やその親戚達は、口を揃えるように幽霊はいないって言ってました。だって、あれだけの人間が惨めに死んでいったのに、長崎にはその幽霊が出ないからです。もし幽霊がいたら、長崎や広島は幽霊だらけで歩かれんだろう、というのが彼らの説得力ある見解です。


それでもF小父さんは、その後何度も父の夢枕に立って、だだを捏ねたそうです。あの世の父とFさんや、その愉快な仲間達の遊びの時間は終わらないんだろうな。もうすぐ父の命日がやって来るからか、根っからのファザコンなのか、父のことばかり書いているかも。


 西方の父さんへ届け緑一色 象牙と竹の雀牌で、ロン  京