カミングアウト

kyopin2006-04-15

人生は重荷を背負ふて歩むが如し


心に疚しいことがあると、この字の如く、久しく病みますので、告白しようと思います。


まだ十代の頃の話です。買い物だったか映画だったか、父に同行を求められ、それが煩わしかったので、友だちと約束があるからって、嘘をついて断ったんですが、父はどうしても引かない。悪いけど友だちにお断りして頼まれてくれって言うんです。困った。


じゃ、いいよ、しょうがないからつき合うよって言ったら、友だちに電話をいれなくちゃダメだって言われ、困った、正直、困った、、、まだ電話が一家に一台の時代で、しかも今、父娘が団欒している居間にあるわけです。サザエさんちのようにせめて玄関先か廊下だったらよかったんですけど。


もうね、意を決して、めちゃくちゃなダイヤルを回してかけました。相手が出ませんように、この番号は使われていませんでありますようにって祈りながら。


出ました、大人の男の人。うわーーーん、半泣き。清水の舞台から飛び降りるつもりで、「きょしゃーんですけど、○○さんのお宅ですか?」ドキドキドキドキ。。。


「はい、そうです」「(え?)○子さんはいらっしゃいますか?」「どういうお知り合いですか?」「(うぇ?!)あ、あの、、高校の同級生です」「どちらの高校ですか?」「あほばか学園です」「ああ、確かに間違い有りませんね。娘は外出中です。どこに行ってるか、アナタご存じ有りませんか?」「(ふぇーーーー!!)すすす、、すみません、存じません」「ああ、そうですか、では、帰りましたらお電話があったことを伝えます。ガチャ」


ぶるぶるわなわな震えました。真っ青になりました。嘘をついたり悪いことはしてはいけません。こんな怖いメにあいます。よい子の皆さんは真似しないように。


ああ、でも、今、思うと、ただ、間違い電話をした小娘がからかわれただけかも知れません。だって、ねぇ、そんな。。でも、ずっと心が疼く隠し事だったのです。ああ、すっきりした。