病院マンションを歩く

kyopin2006-12-18

肉球マッサージはなかったが


このところ、毎週月曜は舅の通院のお供をしています。そのメンタルヘルス医院が入っているビルは、1階が無農薬だの有機肥料だのの素材を使ったお店やドラッグストアなど。2階はネイルサロンや、出た!波動法美容室や、ゲルマニウム付き岩盤浴など、あやしげなリラクゼイション系がずらり。3階と4階はいろんな病院(しかもデザインに凝ったレストランや高級クラブの風情の)が入っていて、5階以上はマンションのようです。駅から1分、賑わっています。


患者を様付けで呼ぶ時代ですものね。自分がかかっているわけではないので、肝心の医療面のことはよく解りませんが、なにしろリラックスできるソファやグリーンをはじめ、インテリアや患者への接し方など卒がありません。


しかし今日わたしは、その素敵な広いロビーで気分が悪くなってしまいました。壁の二カ所に薄型TVが掛かっていて、小さめの音量ではありますが、違うチャンネルの音声が聞こえます。わたしはもともと、興味を持って見てないときのTVの音声って嫌いなのでイライラします。で、それとは別にBGMもうっすらかかってる。で、わたしから見て9時の方向からは受付の声が、11時の方向からは診察を受けている女性の金切り声が、12時の方向からはその隣の診察室の声が、2時の方向からはロビーで待つ親子連れの声が。それぞれ大した音量ではないし、意味までは聞こえません。そして、もわんと室温が高い。わうぉ~~ん。気が狂いそうです。


舅は躁病を患っているので、できるだけ逆らわないように、わたしはイエスマンに徹しようと心がけています。つまり、会話中にそれは違うってばぁって思っても「そうですねぇ」って相づちを打ったり、オウム返しをしたりするわけです。カウンセラーさんや介護士さんのようにね。アタマの中はNOなのに、言葉はYESを発するのですね。しかしわたしはドシロウト。


血の繋がった夫や義妹とは違ってわたしは他人ですから、それを楽にできるわけですけど、それでも何時間かおつき合いしていると、心がもやもやしてきます。ああ、何事も無批判に全肯定できる性格じゃないの、心にもないことを言うのも苦手だったんだわ、わたし。だからうまく世間の波を乗り越えられなかったわけだし。そんなこんなの考えと幾つもの意味のある音に囲まれて、へろへろ。


どうして日本人ってこれほど音に鈍感なのかしら。わたしはエレベーターの中までBGMはいりません。あれってすぐ降りるじゃない。降りたらフロアに別の曲が流れていて、そのまま目的のお店かなんかに入るとまた違う曲が流れていて、、、。嫌がらせかとおもうこともしばしばです。せめてメンタルヘルスの病院内くらい、考えてくれないかしら。


音が多すぎて気持ち悪くなっちゃったからちょっと外へ出ますねって、患者本人である舅に言いましたら、「○チガイを作ろうとしとるのだろう」というお返事。うわん。。「外の風にあたろう、イルミネイションが綺麗だよ、珈琲を一緒に飲もう」って、恋人のようにいたわられながら病院マンションを探検したのでした。