チックタック

kyopin2007-02-09

レッツキッス


シューマンを聴いているとチックが起こります。幼児の頃から後生大事に持っているんですけど、まぁ、軽症です。シューマンも絶対チックを持っていたと思うなぁ。チッカーは他のチッカーのチックがうつる事があるんです。同類相まみえるのはやや危険なのです。わたしは抵抗力が強い方ですけど、どうもシューマンのチックなシンコペーションにはからっきしです。


楽しい夜のバラエティで国分さんが、ウケウリの「偶然は必然です」と言うのがお約束ですけど、本当にそう思ってしまうことが幾つか、わたしもあります。そのひとつがチック。チックを伴うことの多い自閉スペクトラム発達障害児(者)との出会いです。


30年くらい昔、『母原病』というベストセラーがありまして、その著者が我が家から2分の空き地にクリニックを建てられたのです。で、「母原病」に苦しむ子供達がいっぱいうちの前の道を通るんです。その中のある一人の少年とご縁が出来て、彼が九州に引っ越してゆくまでの3年ほどおつき合いしたのが、チックについて考えたり調べたりするキッカケでした。


なにしろ自閉症母原病とみる時代のことなので、図書館へ行っても専門書の類しかなくて、よく解らずじまいのまま、動物のカンみたいなもので少年とおつき合いしていました。その後も数年おきにチック持ちと出会うことになります。自閉症についての知識はあやふやなままの、なんて危険なコンタクトだったことか。思い返すたび、冷や汗がじわつきます。


いったい、現在、わたしの周りに自閉やADHDなど発達障害の子が何人いるかしら。そしてまた二人、チックちゃんに出会ってしまって、ここんとこググりまくっていました。昔、図書館で調べたこととは雲泥の差の情報量です。いえ、インターネットを始めた世紀末頃と比べても。特に、自閉さん自身やその親御さんたちのサイトがいっぱい。生の声が、叫びが、苦悩が、そして喜びも満載。あらためて、個人が情報を発信できることの素晴らしさを感じます。障害の医学的な見解を読むより、うんとリアルです。


で、大変なことに気がつきました。まぁ、、長年、うすうすそうじゃないかなぁとは疑っていましたけど、わたしも自閉スペクトラムのボーダーのようです。虹でいえば、赤外線のあたりかしら。近赤か遠赤かわかりませんけど。


偶然(国分さん曰く必然で)よく出会うのではなくて、ずっと気になってるから、そういう人に目が行って、同類と認識するのだと思いますけどね。自閉スペクトラムに関心がない人は、そばに居ても気がつかないだけなのだと思います。まだまだ謎の多い障害ですけど、それでもうんと色んな事が解ってきて、曖昧ながらも分類もされて、その診断を受ける人も多くなってますから、誰の周りにも普通に沢山存在することでしょう。


そういえば、その昔に自閉とチックの本を探してて出会った、オリバーサックス『火星の人類学者』が、限りなくブラックで切なく、抱腹絶倒だったことを思い出したついでに思い出したんですけど、チックタックなSFがありませんでしたっけか。思い出したのはそれだけで、内容も著者もなにもかも朧なんですけど、、つまり思い出せない。それだけの手がかりでぐぐっても見つからないし、、情報ありましたら、どぞよろしく。