このごろ夢見が良い理由

kyopin2007-09-13

ちいさいゆめをみてるとこ


先日、つきあいで古本屋に入って、ふと頭の上を見上げたら坂田靖子の傑作集が2冊並んでいました。わたしを待っていたのだろうと思い、買いました。


あの時代、そりゃぁ萩尾望都大島弓子のオペラのようなコミックも好きでしたけど、坂田靖子倉多江美の小品が大好きでした。


漫画のエッセンスが残ってるんです。ちょっとした笑い、悲しみ。ほんのり苦くて甘くて、しょっぱくて酸っぱくて、時にはチリチリ辛いミクロコスモス。


と言っても、なんにつけてもわたしは全作品網羅などできない体質で、この2冊にも、まったく覚えのない、たぶん初読みのものが半分以上ありました。この体質は実はありがたいです。こうして予期せぬシアワセを味わえるのですから。


「8分音符でもどうです?」
「珍しい」
「庭に生えてるんです」
「庭がありましたっけ?」
「俳句も生えています」
「はははあ?」
「"古池や かわずとびこむ 水の音"とか」
「ポチャンというふうですね」
「それから"荒海や 佐渡に横たう 天の川"」
「それは大きい!」
「今度、"やせがえる 負けるな一茶 ここにあり"を鉢に移してさしあげますよ」
「ありがとう」


こんな優しい人たちの会話が続くお話を、一つか二つだけ味わってから眠りに就いています。良い夢みられます。