人デ無シの挽歌
捨てられて
実写版『どろろ』をやっと観ました。観て良かったです。大友克洋風味の赤ちゃん妖怪がキモ可愛くて、そこのとこだけ二度、観てしまいました。
もっとニヒルな百鬼丸と、少年にしか見えないどろろじゃないとヤダって思ってましたが、これはこれでいいのかな。どろろの鬱陶しさは原作を踏襲?
ロケ地がどこだったのか、とってもマカロニ、いえ、スキヤキウエスタンです。音楽も妖怪退治のシーンなどはマカロニ系でした。妖怪の造りもグロすぎず、どこかユーモラスで70年前後のあの悪趣味は無く、さらっとしてました。
親に捨てられた子、子を捨てた親、人デ無シたちのそれぞれの苦しみ悲しみが、長台詞ではなく淡々と描かれていれば、黒手塚のこころがもっと届くのでは? なんて、リアルタイマーとしましては、いささか物足りなさもあります。
しかし、全編通して飽きさせず、日本の戦国時代に似ている異世界の設定に変えてあることも丸ごと、とても良くできたエンタテイメントになってると思いました。