死んだ男の残したものは

kyopin2009-02-27

在りし日のキクちゃん


今日は歯医者さんの日でした。先生がおっしゃいました。「冷えますねぇ。こんな日は急患が多いんですよ。ヒトの体も暑さ寒さが堪えるんだなぁと思います。朝の気温で、ああ、今日は急患が多いぞって、判るんですよ。」「へー、ほーなんれふかぁ。ほーゆーもんれふかぁ…」と、上手くは応えられませんでしたが。



そうなんですよね。冷暖房完備の過ごしやすい部屋にいても、老人や病人は、暑い日寒い日によく亡くなります。わたしの親たちもみな冬でした。今年は暖冬でしたけど、旧知の猫さん3匹とお別れしました。


最初に赤猫のみかんちゃん、16歳。この子はちっちゃい頃から恐がり屋の暴れん坊で、頻繁にお医者にかかるのが難しくて、ずっと自宅療養でした。もっと治療できたらもう少し生きられたかもしれないけど、お医者へ行くたびに死ぬほど怖がらせるのも気の毒なのでと、自然にまかせての最期でした。飼い主さんの心は複雑だったことと思います。動物寺でお葬式をしたそうです。 


次に、猫ヶ洞通の眼鏡屋のキクちゃん17歳。急に頭を垂れてよろよろしたので視てもらったところ、尿毒症だったそうです。何日か入院して、できるだけ苦しまないように手を尽くしてもらったそうです。キクちゃんは眼鏡屋さんの社長なので社葬されました。そのお宅にはもう一匹、食い意地の張ったテツ君がいますが、彼は社長の器ではないので、次期社長は未定だそうです。


ふとお店の前を通りかかってウインドウ越しに手を振ったら呼び止められて、その話を聞きました。ついでにお棺に収まっている写真を頂戴しました。眼鏡屋さんは「いらない?いらないよね、こんな写真」っておっしゃいながら、写真を入れる封筒を探してました。もちろん、記念に貰って帰りました。



そして昨日、池下のブティックの黒猫ミック君が亡くなりました。20歳。おととい、ミックの調子がおかしいと電話があり、うちのコたちの先生を紹介しました。そしたら、もうこれは老衰で、あと数日だろうということでした。昨日の夕方、少し時間が空いたのでお見舞いに行ってきました。艶つやの綺麗なままで、目は開き、耳も聞こえているようでしたが、体はほとんど動かず、柔らかいタオルにくるまれて朦朧としていました。そしてその夜遅くに、そのまま息を引き取ったと知らせが入りました。


犬猫はほんとに偉いです。最期まで黙って頑張って、綺麗なままで死んで行きます。


ミック君のママが獣医さんに、うちの紹介で来たと言ったら、「おお、あのコ(ポーちゃん)はまだ元気かね。22歳だね。名古屋で一番の長寿かもしれない」っておっしゃったそうです。え?!名古屋一は凄いけど…23じゃないの?今年24じゃないの?ありゃ。どこで余分に年を取らせてしまったのかしら。


一度、検診に行ってこようと思います。そして、20歳以上は表彰されるそうなので、申請していただこうかなと思います。この冬に逝った老猫3匹の分も代表して。