kyopin2011-03-09

三匹の猫/フランツマルク(これは展示されてませんでした)
大きいのはこちら、てつりう美術随想録さんからどうぞ


今日は愛知県美術館カンディンスキーと青騎士展を見に行ってきました。日曜のゴッホ展とはうって変わって、大変静かにゆっくり鑑賞させていただきました。
(これまでのカンディンスキー関係の記事は2011-01-22 閃輝暗点(その2 2011-01-27 閃輝暗展っぽい蓋2011-01-28閃輝暗展っぽいV


ゴッホ展と同じく時系列に沿った展示で、時間の流れが楽しかったです。でもでもでも、、肝心のカンディンスキー幾何学的抽象画、あの、そのまんま閃輝暗点の作品の展示がありませんでした。

観られたものの中では、これが一番、閃輝暗点的でした。抽象画を描く切っ掛けにもなったシェーンベルグの音楽を表したものです。
インプレッションIII(コンサート)

黒い部分がピアノで暗点部分。それを取り巻く色とりどりが観客で閃輝の輪郭を構成するギザギザ部分、残りの黄色が音&音楽で閃輝部分というか、光の本体であろうとおもいます。2本の白く太い線は会場の柱だということですが、閃輝暗点的には屈折による視界の断層だと思います。
この閃輝暗点のイメージ図と比べてみてください。

気のむくまま 思いのままにさんより拝借

カンディンスキーは、シェーンベルグの強烈な音を黄色で表現しています。「刺すような黄色い音」と本人が言っているという解説でした。

これは、音に色を感じる(一般に「音色」という比喩とは違う)共感覚というもののようです。実は私も、今は随分薄れてしまったものの、ほんの少〜しだけ有りますから、カンディンスキーが描き表したい気持ちが判るような気がします。

閃輝暗点には、音(のような感覚)を伴うことがありますし、ある種の音を聴くことによって閃輝暗点が始まることもありますから、カンディンスキーが抽象画を創りだす起動スヰッチがシェーンベルグであったと考えられるかも知れません。(閃輝暗点と音、共感覚については、これから考えを纏めていければと思っています)


コンポジションVII)のための習作2

これもちょっと解りにくいですけど、よく観ると閃輝暗点に見えます。キャンパスいっぱいに楕円が浮かびます。左上から右下方向の斜線、右上から中央下への斜線により視界(画面)の断層が見て取れたのですが、うーん、このコピーでは見にくいかもです。
ギザギザ、弧、歪み、ねじれ、滲み、そして屈折断層の観える、虹色型の閃輝暗点だと思いました。


この展覧会での一番の収穫は、フランツマルクの「虎」を観られたことでした。かなり大きな作品で、遠目で観るととても迫力があり、長い時間、惹き込まれました。素晴らしい虎であるとともに、紛れもなく閃輝暗点の全体像です。


閃輝暗点とは関係有りませんが、これ、びっくり。
「スペインの女」 アレクセイ・ヤウレンスキー 1913年

「スペインの女」というタイトルですけど、モデルは男性だそうです。
この御方では……


(3/11 画像を貼り替えました)
これよりもう少しお若い頃かしら。タイガース時代の、顎がより細く、前髪垂らしの頃にそっくり。かなりうっとり見惚れてきましたわん。