梅雨入り
エゴの木やアカシアは終わってっしまいましたが、木に咲く小花は五月の雨に似合うものが多いです。今日も、何処からともなく、い〜い香りが漂ってきたので、きょろきょろしたら、ねずみももち(鼠黐←すってきな字だぁ!、絶対書けませんが)でした。
なんという、乙女の恥じらいのような、ほんのり桜色でしょう。たぶん、空木の仲間であろうと当たりをつけて検索したら、どうやらサクラウツギ(桜空木)か、サラサウツギ(更紗空木)という名のようです。どちらの名前も似合います。
紫色まで熟れると、渋くて酸っぱいけど、ちゃんと桜ん坊の味です。
桜ん坊の樹の数メートル先に、若い男性が何をするでもなく立っていました。撮り終わって彼の前を通り過ぎたら、猫の屍が。
あーっと叫び、すくんで、後ずさりしたら、その男性が「そうなんです、すみません、教えなくて。さっき保健所へ連絡したので、待っているところです」って。
「ごめんなさい、私は見られません。」「はい」と、彼は頷き、優しい眼差しで淋しげに微笑みました。「よろしくお願いします。ありがとうございます」と言って、方向を変えて帰りました。白黒のコでした。
帰り道、このコに会いました。
まだ大人になりきってない錆虎。これから生きてゆくんだね、にゃん生が始まったばかりなんだね。カメラを向けても振り返りもせず、仲間の亡き骸の方を、じっと見ていました。