誕生日に黒いザク

どうということのない一日でしたが、ご近所を散歩中に黒いザクさん発見。




名古屋市名東区一社(いっしゃ)の、トーヨーキッチンのショールームですが、いつからいたのかなぁ、今日まで気がつきませんでした。脚が長いなぁ、でも、私よりちっこい。

お隣の駅、上社(かみやしろ)にマジンガーがいるし、良い町だなぁ、ここらへん。

あ、そうそう、上社にはビクターのニッパー君もいるの。大きな大きなニッパー君。実物より大きそう。私の最初の大好きなキャラクターマスコットだったかも。



電気蓄音機(略して電蓄)からステレオに変わった時に一緒に付いてきたニッパー君は陶器でした。毎日連れ回しているうちに、いつしか前足が折れて、鼻先が欠けて白くなって、片耳も欠けて無くなって、可哀想な姿になってしまったので、母が庭の隅に葬ったのでした。泣いてお別れしました。昭和三十年代のこと。

その後、四十年代になって買い換えたのはダイアトーンだったので、ニッパー君はついて来ませんでした。生まれ変わってやって来ると信じてたのに。もう幼児ではありませんでしたが、なんか仄かに寂しく感じたのでした。

それからニッパー君にはとうとう縁がなくなってしまって、つい去年、ご近所で出会って嬉しくて嬉しくて。もういい歳してなんなんでしょうね。おばあさんになってもこうなんだろうなぁ。そろそろアラ還にさしかかる誕生日でした。


P.S.
もしかしたら記憶違いかもです。私のニッパー君は初代ステレオについて来たのではなく、物心ついた時にはデンっと存在した電蓄について来てたのかも知れません。だってそれもビクターだったもの。それともニッパー君は二匹居たのかしら、そんなような気もします。

ああ、なんてこと、五十年前の記憶は夢とほとんど変わりません。でもあのひんやりした手触りは忘れません。欠けた耳のあたりを嗅ぐと、死んだチビの匂いがしていました。いまでもそれを思い出すと冷たい陶器の感触とチビの匂いが蘇ります。

ああ、いいことを思い出せて嬉しい、よい誕生日になりました。