ひとりひとりまたひとり

聴き倒したなんてことはありませんが、ジョン・ロードは私にとって大きな名前のひとつでした。やっぱりこれかなぁ、ひとつ選ぶとしたら。

まだ行き先が決まらないような、試行錯誤のような、ちょいとおヘタだったりして初々しくて。当時大好きだったベートーヴェンの7番の二楽章がちょこっと聴こえてきたりして楽しいアルバム。合掌。



同じ日、桑名正博さんのニュースも。母と同じ病です。

あの日、担当の若い先生から、明日かもしれないし、一年後、十年後かも知れませんと宣告されました。脳の一番奥深いところなので手術はできませんと。それでも一日でも長く命を延ばすのが僕らの仕事ですと。

目を覚ますことはありませんかと尋ねたら、あるかもしれないが身体も動かないし口もきけませんとのことでしたから、私はひたすら、目を覚ましませんように、静かに、苦しまずに、悲しまずに、あちらへ行けますようにとそればかり祈っていました。

悪い死に方じゃないとは思いますけど、やっぱり、もう一度微笑んでくれないかなとも思いました。親の眼差しは親だけの眼差しだもの。それを受けることの出来た人生で良かったと思いました。

いつも誰かがどこかで大切な人とお別れしているんですね。