我が赴くは星の海原

宇宙戦艦ヤマト2199』、今日は第六話「冥王の落日」の放送でした。旧版では戦慄した話なのですが、新作ではちょっと怖さが足りません。それに、TV版のOPとEDの音楽ももの足りないです。DVD版と同じにすればいいのに。70歳のささきいさおさんのドスの利いた声が素晴らしいのになぁ。そのうちに変わりますように。

ちょっと口直しに第二話「我が赴くは星の海原」を見直しました。(このあたりのOPとEDはTV版と同じへなちょこですが)タイトルがいいです。銀河英雄伝説「我が赴くは星の大海」へのエールでもあるのでしょうか。

元ネタは『我が赴くは星の群れ』ベスターの古典的作品です。元々のタイトルは『虎よ、虎よ(Tiger! Tiger!)』私はこちらで読んだはず(古…

そのまた元ネタはアレクサンドル・デュマ・ペールの小説『モンテ・クリスト伯』。ちょいと前の日本では『岩窟王』で、やはり私はそのタイトルで読みました。

これを下地にした作品はとても多いらしく、私にも忘れられなものがあります。ひとつは、昨日今日、冷蔵庫みたいな女優さんの代役を神懸かりのようにこなした(らしい)宮沢りえちゃんが、凄い俳優になったのを目の当たりにした『青き復讐の花』という、10年ほど前のNHKのドラマ。

うはぁ、あった!>ようつべ

もうひとつは、そのずっとずっと昔、ジュリアーノジェンマが灼熱の砂漠で虐めに虐められた挙句、執念で復讐を果たす『星空の用心棒』。父と一緒に何度も観たお気に入りのマカロニウェスタンです。

ヤマトにも、はたまた必殺シリーズにも通じる音楽であることを再認識します。


そして、『虎よ、虎よ(Tiger! Tiger!)』のもう一つの元ネタ「The Tyger」、ウィリアムブレイクの「虎」という詩。ブレイクはイギリスの詩人で幻視者で画家という18世紀生まれの天才です。この人の作品はドアーズややタンジェリン・ドリームや、『ブレードランナー』『デッドマン』や、私の大好きなものに繋がっていきます。

なかでも英国の事実上の国歌と言われる「エルサレム」はEL&P『恐怖の頭脳改革』で散々聴き倒した曲です。

ああ、なんて面白い。大好きなヤマトのサブタイトルから系譜が現れて来ました。
そして、ブレイクのこの絵を見れば閃輝暗点者であることも間違いないと思うのです。